ばね指

ばね指とは?
ばね指とは、指が屈曲しづらくなる、またはできなくなる症状のことを指します。
指を曲げる際に、指が引っかかり、弾かれるように伸ばしたり曲げようとする前の状態に指が戻ってしまう状態になります。そのため、弾発指と呼ばれることもあります。
ばね指の根本原因は?
指の筋肉を抑えるための鞘(靭帯性腱鞘)に炎症が起こり発症する腱鞘炎が進行し、症状が重くなった際にばね指(弾発指)となります。
指の筋肉とその筋肉を抑えるための鞘や靭帯が炎症を起こし、腫れることでこぶのようなものができ、それが進行するとひっかかりが起こるようになります。
これらが起こると、指をゆっくりと曲げたり伸ばしたりすることができなくなり、指の角度を途中でキープすることが難しくなります。
さらに悪化すると、曲げ伸ばしができなくなり、痛みを伴うことがあります。特に早朝は寝ている間に手指を動かさないため、指がむくみ、日中よりも痛みを伴うことが多くなります。
こんなお悩みはありませんか?
指が曲がりにくくなった、曲がらなくなった、伸びにくくなった
ばね指の典型的な症状です。これが起きた場合、殆どはばね指です。
指がむくんでいる
ばね指が起こる可能性がある初期症状の一つです。
指を伸ばすとき、曲げるときにガクッとなり、ゆっくりと曲げ伸ばしができない
これもばね指の典型的な例の一つです。
日中は指が強張る程度だが、朝起きるとしばらくの間指が曲げ伸ばしできない
就寝中は手を曲げることが日中よりも少なく、手の筋肉がむくむ為曲げ伸ばしがしにくくなる事があります。
指が痛い
ばね指の前駆症状である、腱鞘炎の可能性があります。
ばね指に対する当院の考え
ばね指はしばらくの間、手を動かすことを控えて安静にすることで症状が軽減することもあります。しかし、仕事で手を動かさなければならない方などは、その期間中に仕事の量を減らしたり休んだりすることが必要になることがあります。ばね指は炎症によって引き起こされることが多い症状であり、炎症が引けば痛みは軽減しますが、これは根本的な解決にはなりません。再び仕事を始めたり、動かす量が増えれば、再度ばね指が発症する可能性があります。
ばね指を防ぐためには、筋肉が炎症を起こさないようにケアをすることが重要です。完全に発症を防ぐことはできないかもしれませんが、ばね指を発症するリスクを軽減できると考えています。
ばね指はなぜ起こるのか?
ばね指は仕事や家事の中で繰り返し手を動かすことが多くなると、発症しやすくなります。
つまむ動作やめくる動作など、それらを繰り返すことが多いと炎症が起こりやすくなるためです。
炎症が起こると、腱と腱鞘が肥大化し、それにより引っかかりが生じ、ばね指の症状が現れます。
生活や仕事での手を動かす回数や量を減らして安静にしていれば、痛みや腫れが軽減し、元の状態に戻ることがあります。しかし、一度ばね指が発症した場合、安静にして痛みが軽減しても、再び手を使い始めると痛みや腫れが再発することがあります。
安静にすることが難しい場合は、アイシングを行い、炎症を軽減する方法もあります。
ばね指を放っておくとどうなるのか?
安静にしてあまり動かさないで放置していた場合、痛みや症状が軽減することがあります。しかし、安静にすることや動作の量を減らすことをせず、普段通りに使って放置していた場合、痛みが悪化し、指が全く曲がらない、伸びないといった状態になることもあります。
そのような場合、特に朝起きた際の症状が強く現れることがあります。ばね指の症状が強く出やすいのは起床時で、この時は普段痛みを感じない方でも痛みを感じることがあります。そのため、日中に痛みを感じている方は、その痛みがさらに強くなる可能性があります。
痛みが強いと、家事や仕事中にすべての指の動作で痛みが気になり、クオリティの低下やQOL(生活の質)の低下につながることがあります。痛みを感じたまま放置することは全く推奨できません。
ばね指に効果的な当院の施術メニューは?
当院で行っている施術メニューで効果が期待できるものは、鍼、手の極み、電療、揉捏です。
揉捏は、わかりやすく言えばマッサージのようなもので、前腕から指にかけて行うことによって筋肉の緊張を緩め、痛みの軽減を目指します。ただし、これだけでは施術の効果が薄くなるため、後述する他のメニューとの併用をお勧めします。
次に紹介するのは、電気による施術です。当院で使用しているES400という機械には、さまざまな症状に対応した電気のパターンがあります。これを使用することで、手だけでは届かない深部かつ広範囲の筋肉にアプローチし、軽減が期待できます。
3つ目に紹介するのは手の極みです。手の極みとは、簡単に言えば前腕から手にかけて特化したマッサージです。また、手関節の調整も行い、関節のバランスを整えることで、手指に負荷がかかりにくい状態にすることができます。
最後に紹介するのは、鍼による施術です。手に刺鍼することはお勧めしませんが、前腕部に刺鍼を行うことで、指の筋肉を緩めることを狙っています。
その施術を受けるとどう楽になるの?
前述した施術のメニューは、全て筋の緊張を緩めるために行うものです。筋の緊張を緩めることで腱と腱鞘の摩擦が起きにくくなり、痛みの元である炎症と、それにより起こる腫脹を抑える効果が期待できます。腫脹が軽減すれば腱鞘に引っ掛かることがなくなり、指のロックが起きにくくなります。
これらの施術を行った場合、痛みがある状態で仕事などで手を使っても症状が悪化する可能性は低いと考えられます。さらに安静にすることで施術の効果が高まり、早期の回復が期待できるかもしれません。
上記の自費施術を行わなくても、患部の揉捏を行うだけで効果が期待できますので、当院での通院を検討されている方は参考にしていただけますと幸いです。ていただきます。
ばね指を軽減するために必要な施術頻度は?
ばね指を軽減するには、週に2回の施術が必要です。
仕事や家事をせず、安静にしていられるのであれば、週に1回でも許容範囲ですが、全く何もせずにいられる方は少ないのではないかと思います。施術直後は状態が多少良くなることが期待できますが、翌朝には再び痛みや腫れが現れることがあります。
これを軽減させるためには、筋肉を緩め、炎症や腫れが起こらないようにする必要がありますので、週に2回の施術を受けていただきたいと考えています。
症状が強い場合には、筋の緊張をしっかりと緩めるため、週2回ではなく、3~4回の施術を受けていただきたいと思います。症状が強い場合、施術を行っても元の状態に戻るのが早いためです。